このウエブサイトは、80年代バブルへの郷愁から刹那的な消費に走るふつつか者である私(over40)が、購入或いは頂いた数々の物品を独断と偏見で褒めまくるウエブサイトである。或いは、私の消費を正当化するために、私がいかに価値のあるものを購入したかというの情報を発信するウエブサイトである。或いは、先細りの内需を刺激するために、これから私が身を削って購入しようとするもの、熱烈に欲しいものの情報を発信するウエブサイトである。









<ブランドの機能>

このウエブサイトでは、結局のところブランド品について言及してしまう。そこで、今回は、ブランドについて、考察してみることにする。

ブランド(商標)の機能には、自他商品識別機能、出所表示機能、品質保証機能、広告宣伝機能があると弁理士受験時代に呪文のように暗記したものだ。これらはブランドを商品に付する商標権者(企業)と、ブランドが付された商品を選択して購入する需要者(消費者・バイヤー)の間に成立している機能である。

これらの機能とは別に、ブランドには、ブランドが付されている商品(ブランド品)を所有している人を特定のカテゴリにカテゴライズするアイコン的な機能があると思う。これは、ブランド品の所有者と第三者の間に発揮される機能である。ブランド品の所有者を見た第三者は「あのブランドを持つような類の人」というカテゴリにその人を分類する。「あのブランドを持つような類の人」のカテゴリの中は、「そのブランド品を所有する適格性がある」というカテゴリと「そのブランド品を所有する適格性が認められない」というカテゴリが存在する。
 
ここで、ブランド品の所有者に好意的な第三者は、その所有者を「そのブランド品を所有する適格性がある」というカテゴリに分類する。しかし、不幸なことに、そのような好意的な目を向けてくれるのは、その所有者の友人の僅かである。その所有者と関係のない他人の多くは、まず、所有者とブランド品とを相互に品定めして、それらのマッチングを確認する。そして、マッチングしていることを認めれば、やっとその所有者を「そのブランド品を所有する適格性がある」とカテゴライズする。マッチしていないことが確認されると、「そのブランド品を所有する適格性が認められない」とカテゴライズする。「そのブランド品を所有する適格性が認められない」にカテゴライズされた場合には、人格的に軽蔑することさえあるから恐ろしい。それゆえ、銀のスプーンをくわえて生まれてきた者以外は、ブランド品を所有する際に、細心の注意が必要である。特に、自分と関係のない他人との距離の近い田舎では。
 
バブルを経験したOver40の世代は、平素は慎ましやかな生活をしていながら、有事にはついついブランド品を購入してしまうブランド信奉の世代だと思う。十分なブランドリテラシーを育んできた世代であり、ブランド品を自己のイメージ戦略に活用したきた世代でもあるとも自負する。それゆえに「そのブランド品を所有する適格性が認められない」というカエゴリにカテゴライズされることに常に怯えながら、時に背伸びをする消費生活を送ってきたともいえる。

しかし、考えてみれば、自分と関係のない他人の思想をコントロールすることは不可能である。そう思えば、自分と関係のない他人に「そのブランド品を所有する適格性が認められない」とカテゴライズされても良いではないか。Over40になったのだから、もっと「超然」として、自分の求める消費に正直になれば良いのである。
そして、Over40になったのだから、自らの意思、或いはパートナーのアドバイスで購入するたいがいのモノは、それなりにマッチするものとなっているはずだ(購入できる商品の上限は必然的に決まるのだから(笑))。ちなみに、私が現在最もフィットしているブランドは「しまむら」系ブランドである。(2010/01)










inserted by FC2 system